紫外線(UV)とは光の波長が400~200nmからの短波長を指します。さらに細かく見ていくと下の図のように、紫外線(UV)は波長別に3つに分類されます。
紫外線LED(UV-LED)は単一波長の紫外線(UV)を瞬時に点灯することができ、寿命が長く、消費電力が少ないなどの特徴をもつ発光ダイオードです。
現在上市されているLEDの波長は235~405nmの間で15種類あります。
235, 255, 265, 275, 280, 285, 300, 310, 325, 340, 365, 375, 385, 395, 405nm
紫外線の中でも特に波長が短い領域を深紫外(UVC)領域と呼び、UVCの光を発光できるLEDを深紫外LEDといいます。
深紫外LEDは、照明等で使用される白色LEDやUVA領域のLED(365~405nm)などと比べて放射照度も発光効率もまだまだ低く、大半は熱に変わってしまいます。しかし昨今チップの技術開発が進み、深紫外LEDでもハイパワーな光を出すものが出てきました。これにより、幅広い分野でも深紫外LEDが使われ特に昨今はウイルスや菌に対してUVCの光が有効的であることが広く知られるようになり、家電製品などに深紫外LEDが搭載されるようになってきました。
深紫外LEDはまだまだ開発が進められており、今後も性能の良い深紫外LEDがどんどん市場に出てくることが予想され、今まで以上に広く使用されることが期待されています。
これまで、紫外線(UV)を発光する光源として主に水銀ランプが用いられてきました。水銀ランプの発光の仕組みは、ガラス管内側に不活性ガスと水銀が入っており、ここに電流を流し放電によりUV光が発生します。しかし、水銀ランプに含まれる水銀の人体や環境への影響が懸念され、2013年に水銀廃棄物について適正に管理する「水銀に関する水俣条約」が採択され2017年に発効されました。
今後水銀ランプの使用が制限されることから、その代替として注目されているのが紫外線LED(UV-LED)です。特にUVランプが主に使用されていた『殺菌』、『樹脂硬化』をはじめとする様々な用途において深紫外LEDを用いたアプリケーションの開発が検討されています。
深紫外LED | UVランプ | |
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波 長 | 任意の単一波長 | 複数の波長 |
動作電圧 | 数V~10V程度 | 100~数万V |
点 灯 | 瞬時点灯 | ウォームアップ要 |
サイズ | 小さい | 大きい |
寿 命 | 長い(10000時間以上) | 短い(3000~5000時間) |
環境負荷 | 低い | 高い |
コスト | 高い | 安い |
UVは3つの波長帯に分類できますが、その各波長帯によって得られる効果が異なります。
まだまだ新しい技術の深紫外LEDですが、これまでの水銀ランプなどの代替だけではなく、今までなかった新たなアプリケーションの創出も期待されています。
深紫外LEDは発光する波長が300nm以下と短いため、使用できる材料が限られています。当社の取り扱う石英ガラスは300nm以下でも高い透過特性を有しているため、深紫外LEDとの親和性が高い材料となります。そのため深紫外LEDが上市されたころより、専用の光学部品などの開発を行ってきました。深紫外LEDは放射照度が低いため、ムダの少ない照射が求められています。また、光源で安価ではないため、レンズなどの光学部品と組合せ、少ないLEDで効率よくUV光を照射することが重要になります。
大興製作所では光学設計並びにモジュール設計技術と光学部品の製造技術より、1灯~数灯程度の少ないLEDでレンズなどの光学部品を用いて、高い放射照度や均一な照射を実現しています。
1. SPOT光源 (高出力UV-LED照射モジュール) |
特殊な光学部品と組み合わせ、1つの深紫外LEDのみで高い放射照度を実現したUV-LED照射モジュールです。深紫外LEDからの光を効率良く集め、幅広い用途でご利用いただいております。また、安価で取り扱いやすいシンプルな構造にしました。 | |
2. UV-Stick™ (直管型UV-LED照射モジュール) |
ランプのように360度に紫外線(UV光)を発光することができ、広いエリアの照射に最適です。発光部の発熱がなく、長時間の照射や対象物への熱の影響を抑えることが期待されます。 深紫外LEDに対応!! |
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3. UV-Liner™ (ライン型表面殺菌ユニット) |
広いエリアを手軽に短時間で殺菌(不活化)することが可能です。深紫外LEDとレンズを組み合わせることで、指向性を高め、高い放射照度を維持しつつ、ライン状に均一な光を照射します。 ※除菌作業以外の用途でもご利用いただけます。 |
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4. UV-Uniform™ (UV-LED均一照射ユニット) |
少量の深紫外LEDと光学設計の工夫によるUV-LED均一照射ユニットです。
UV-LEDと光学部品を組み合わせることで、照度ムラの少ない均一な照射を実現。 深紫外LEDに対応!! |
人体が200~315nmの紫外線にさらされると目や皮膚に障害を受ける危険性があります。JIS Z 8812(有害紫外線放射の測定方法)において、1日(24時間)を1期間として253.7nmの紫外線の暴露を受けてもよい許容限界値(TLV)は60J/m2(6mJ/cm2)以下と定められています。
CIE波長領域 | 目 | 皮 膚 | |
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紫外C (180nm~280nm) |
光化学的角膜炎 | 紅班(日焼け) 皮膚老化プロセスの加速 色素の増加 | |
紫外B (280nm~315nm) |
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紫外A (315nm~400nm) |
光化学的白内障 | 色素の増強 光線過敏症 皮膚のやけど |
(1)眼の安全:強度の強い紫外線は眼に対して危険で、雪眼炎などといった炎症を起こす可能性があります。
紫外線に曝される環境においては必ず、保護メガネの着用を行ってください。
参考に弊社で使用している保護メガネを以下に記載します。下記よりご覧ください。
10600nmのCO2レーザーと紫外線に特化した可視光の透過率の高いノンカラータイプ。 色味が無いため違和感が無く長時間使用していても疲れにくいので快適です
532nmYAG第2高調波とアルゴンレーザーに対応。 一般的な~532nmまで対応するフィルターと比べてOD値、 可視光透過率とも高い製品です。
(2)皮膚の安全:紫外線はたんぱく質を変性させます。皮膚に紫外線が照射されるとコラーゲン繊維や弾性繊維にダメージを与えるため、手袋やマスクなどを着用し、紫外線から皮膚を保護してください。