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|株式会社大興製作所| UV-LED、深紫外対応レンズ、レーザー、紫外線ランプを光学技術と組み合わせてご提案

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深紫外LEDとは・・・

深紫外LED(UV-LED)について、基礎知識からアプリケーションまで、わかりやすく説明しています。


① 紫外線とは…

 紫外線(UV)とは光の波長が400~200nmからの短波長を指します。さらに細かく見ていくと下の図のように、紫外線(UV)は波長別に3つに分類されます。

深紫外LED波長についてイメージ図

  • UVA(315~400nm):大気による吸収をあまり受けずに約5.6%が地表に到達します。
  • UVB(280~315nm):ほとんどはオゾン層において吸収されますが、0.1%程度は地表に 到達し、皮膚や眼に有害な影響を与えます。
  • UVC(200~280nm):オゾン層によって全て吸収され、通常は地表には到達しません。
             強い殺菌作用を有するため、生体に対する危険性があります。
             ※UVCの波長帯は『深紫外線』や『Deep UV』とも呼ばれています。

② 紫外線LED(UV-LED)とは…

紫外線LED(UV-LED)は単一波長の紫外線(UV)を瞬時に点灯することができ、寿命が長く、消費電力が少ないなどの特徴をもつ発光ダイオードです。
現在上市されているLEDの波長は235~405nmの間で15種類あります。
235, 255, 265, 275, 280, 285, 300, 310, 325, 340, 365, 375, 385, 395, 405nm


深紫外LEDの開発

紫外線の中でも特に波長が短い領域を深紫外(UVC)領域と呼び、UVCの光を発光できるLEDを深紫外LEDといいます。
深紫外LEDは、照明等で使用される白色LEDやUVA領域のLED(365~405nm)などと比べて放射照度も発光効率もまだまだ低く、大半は熱に変わってしまいます。しかし昨今チップの技術開発が進み、深紫外LEDでもハイパワーな光を出すものが出てきました。これにより、幅広い分野でも深紫外LEDが使われ特に昨今はウイルスや菌に対してUVCの光が有効的であることが広く知られるようになり、家電製品などに深紫外LEDが搭載されるようになってきました。
深紫外LEDはまだまだ開発が進められており、今後も性能の良い深紫外LEDがどんどん市場に出てくることが予想され、今まで以上に広く使用されることが期待されています。

これまで、紫外線(UV)を発光する光源として主に水銀ランプが用いられてきました。水銀ランプの発光の仕組みは、ガラス管内側に不活性ガスと水銀が入っており、ここに電流を流し放電によりUV光が発生します。しかし、水銀ランプに含まれる水銀の人体や環境への影響が懸念され、2013年に水銀廃棄物について適正に管理する「水銀に関する水俣条約」が採択され2017年に発効されました。
今後水銀ランプの使用が制限されることから、その代替として注目されているのが紫外線LED(UV-LED)です。特にUVランプが主に使用されていた『殺菌』、『樹脂硬化』をはじめとする様々な用途において深紫外LEDを用いたアプリケーションの開発が検討されています。

  • 深紫外LEDとUVランプの比較

  •    深紫外LED  UVランプ
     波 長  任意の単一波長  複数の波長
     動作電圧  数V~10V程度  100~数万V
     点 灯  瞬時点灯  ウォームアップ要
     サイズ  小さい  大きい
     寿 命  長い(10000時間以上)  短い(3000~5000時間)
     環境負荷  低い  高い
     コスト  高い  安い

  • 深紫外LEDのメリットとデメリット
    • メリット:光源サイズはかなりコンパクトになる。消費電力が小さく、環境負荷が低い。
    • デメリット:放射照度と変換効率が低い。コストは高い。

③ アプリケーション(紫外線領域)

UVは3つの波長帯に分類できますが、その各波長帯によって得られる効果が異なります。

紫外線波長ごとの用途
▶ UVA(315~400nm):主な効果は印刷インクの硬化、光触媒。
  • 樹脂硬化:UVを照射することで、塗料や接着剤などの有機物に対して、短時間で熱ダメージの少ない硬化を実現します。一方で、厚い塗布や複雑な形状などには向きません。
  • 光触媒:光触媒では紫外線と酸化チタン(TiO2)が塗布された材料が用いられ、UV光が当たることで表面に強力な酸化力が生まれ、接触してくる有機化合物や細菌などの有害物質を除去することができます。
  • 分析/計測:励起光を照射したときに試料から放出される蛍光を測定する蛍光分析や紫外・可視・近赤外領域の光を物質にあてその吸光度を測定する分光測定などの各種分析機器の光源として、UV 光を使用します。ブロードでの測定を行うため主にランプを使用されますが、一部で紫外線LEDが使用されています。
▶ UVB(280~315nm):主な効果は医療分野での皮膚病治療や農業分野での害虫防除。
  • 病害防除:いちごやぶどうなどの農作物にUVBの紫外線を照射することでうどんこ病などの病害虫を防除することができ、農薬の使用量を少なくすることが期待されています。
  • 医療:乾癬や白斑などの皮膚疾患に対する治療法として、ナローバンドUVBを用いた光線療法があります。
  • 分析/計測:励起光を照射したときに試料から放出される蛍光を測定する蛍光分析や紫外・可視・近赤外領域の光を物質にあてその吸光度を測定する分光測定などの各種分析機器の光源として、UV 光を使用します。ブロードでの測定を行うため主にランプを使用されますが、一部で紫外線LEDが使用されています。
▶ UVC(100~280nm):主な効果は殺菌、表面改質など。
  • 殺菌(除菌):紫外線(UV)を照射する事で短時間での遺伝子の増殖能力を失わせる事ができ、対象の菌に対抗性(変異株)を作らないと言われている。一方、光のあたらない部分への除菌効果は少ないです。これらの特長より、水殺菌や表面殺菌などの用途において幅広く検討が進められています。
  • 分析/計測:励起光を照射したときに試料から放出される蛍光を測定する蛍光分析や紫外・可視・近赤外領域の光を物質にあてその吸光度を測定する分光測定などの各種分析機器の光源として、UV 光を使用します。ブロードでの測定を行うため主にランプを使用されますが、一部で紫外線LEDが使用されています。
  • 表面改質/洗浄:表面改質は対象物に紫外線を照射することでその表面の性能を変えることができます。UV洗浄は水や洗浄剤では落ちない汚れを落とすことができる技術です。

まだまだ新しい技術の深紫外LEDですが、これまでの水銀ランプなどの代替だけではなく、今までなかった新たなアプリケーションの創出も期待されています。

④ DAICOと深紫外LEDとの関係性について

深紫外LEDは発光する波長が300nm以下と短いため、使用できる材料が限られています。当社の取り扱う石英ガラスは300nm以下でも高い透過特性を有しているため、深紫外LEDとの親和性が高い材料となります。そのため深紫外LEDが上市されたころより、専用の光学部品などの開発を行ってきました。深紫外LEDは放射照度が低いため、ムダの少ない照射が求められています。また、光源で安価ではないため、レンズなどの光学部品と組合せ、少ないLEDで効率よくUV光を照射することが重要になります。

大興製作所では光学設計並びにモジュール設計技術と光学部品の製造技術より、1灯~数灯程度の少ないLEDでレンズなどの光学部品を用いて、高い放射照度や均一な照射を実現しています。

1. SPOT光源
 (高出力UV-LED照射モジュール)
SPOT光源 特殊な光学部品と組み合わせ、1つの深紫外LEDのみで高い放射照度を実現したUV-LED照射モジュールです。深紫外LEDからの光を効率良く集め、幅広い用途でご利用いただいております。また、安価で取り扱いやすいシンプルな構造にしました。
2. UV-Stick™
 (直管型UV-LED照射モジュール)
UV-Stick ランプのように360度に紫外線(UV光)を発光することができ、広いエリアの照射に最適です。発光部の発熱がなく、長時間の照射や対象物への熱の影響を抑えることが期待されます。
深紫外LEDに対応!!
3. UV-Liner™
 (ライン型表面殺菌ユニット)
UV-Liner 広いエリアを手軽に短時間で殺菌(不活化)することが可能です。深紫外LEDとレンズを組み合わせることで、指向性を高め、高い放射照度を維持しつつ、ライン状に均一な光を照射します。
※除菌作業以外の用途でもご利用いただけます。
4. UV-Uniform™
 (UV-LED均一照射ユニット)
UV-Uniform 少量の深紫外LEDと光学設計の工夫によるUV-LED均一照射ユニットです。 UV-LEDと光学部品を組み合わせることで、照度ムラの少ない均一な照射を実現。
深紫外LEDに対応!!

⑤ 紫外線への安全対策について

人体が200~315nmの紫外線にさらされると目や皮膚に障害を受ける危険性があります。JIS Z 8812(有害紫外線放射の測定方法)において、1日(24時間)を1期間として253.7nmの紫外線の暴露を受けてもよい許容限界値(TLV)は60J/m2(6mJ/cm2)以下と定められています。

CIE波長領域 皮 膚
紫外C
(180nm~280nm)
光化学的角膜炎 紅班(日焼け) 皮膚老化プロセスの加速 色素の増加
紫外B
(280nm~315nm)
紫外A
(315nm~400nm)
光化学的白内障 色素の増強 光線過敏症 皮膚のやけど

(1)眼の安全:強度の強い紫外線は眼に対して危険で、雪眼炎などといった炎症を起こす可能性があります。
 紫外線に曝される環境においては必ず、保護メガネの着用を行ってください。

 参考に弊社で使用している保護メガネを以下に記載します。下記よりご覧ください。


【レーザー保護メガネ(紫外線対応)】


レーザー保護メガネ6001,CO2
6001 <CO2レーザー / UV領域レーザー>

10600nmのCO2レーザーと紫外線に特化した可視光の透過率の高いノンカラータイプ。 色味が無いため違和感が無く長時間使用していても疲れにくいので快適です

  • フィルター材質:ポリカーボネート
  • フィルターカラー:クリア(ノンカラー)
  • 可視光透過率:約 90 %
  • 専用ケース付き
  • 190-360nm:OD 7以上
  • 5000-11000nm:OD 7以上
  • ANSI Z136.1 認証,ANSI Z87 認証,ANSI Z87+ 認証

レーザー保護メガネ5301,Yag二倍波用
5301 <KTP YAG(第2高調波)/アルゴンレーザー>

532nmYAG第2高調波とアルゴンレーザーに対応。 一般的な~532nmまで対応するフィルターと比べてOD値、 可視光透過率とも高い製品です。

  • フィルター材質:ポリカーボネート
  • フィルターカラー:オレンジ
  • 可視光透過率:約 42 %
  • 専用ケース付き
  • 190-532nm:OD 7以上
  • 5000-11000nm:OD 7以上
  • ANSI Z136.1 認証,ANSI Z87 認証,ANSI Z87+ 認証

(2)皮膚の安全:紫外線はたんぱく質を変性させます。皮膚に紫外線が照射されるとコラーゲン繊維や弾性繊維にダメージを与えるため、手袋やマスクなどを着用し、紫外線から皮膚を保護してください。